Learning the Outdoors by PORTAL | 003:山を歩く -山の歩き方と行動中のマナー-
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当店をご利用いただきながら、お客さまご自身が自然の中での時間を安心して楽しめるように。そうした目的で、登山やハイキング、または渓谷での釣りなどの基礎を少しずつ学びながら実践していく連載「Learning the Outdoors」をお届けしています。
という内容でご紹介しました。
第3回目となる今回は、実際に歩いてみて「疲れた」などの体験があったかと思いますが、実際の日帰りの登山やハイキングでの「行動中」をテーマにお届けします。
山を歩く -山の歩き方と行動中のマナー-

実際に山を歩いてみると、予想よりも自分の体力がなくて疲れたという場合もあれば、快適に歩けて気持ちよかったなど、その感想は人それぞれだと思います。また、「こういう時、どうすればいいの?」という疑問が出てくることも。
今回は当店の考え方も含めて、山での歩行技術や行動中のマナーについて、最近山や自然を歩き始めた方が分かりやすいような内容を考えて紹介します。
なお歩行技術などについては、山を歩き始めたばかりで、比較的体力に自信のない方にとって役立つような内容を紹介しますので、難度の高いルートなどでの技術面はここでは割愛し、また少しずつステップアップしていく上でご紹介します。
歩行技術・山や自然を歩く時のポイント

はじめに、今回は「速く行動する」ということが目的ではなく、日頃あまり運動をしていない方が山を歩くことを前提に歩行技術や、山を歩く時のポイントなどを紹介します。
難度が上がった場合の行動などにおいては、また機会を見て掲載させていただきます。
ゆっくり・小股で歩く
基本的に山を歩く時は「ゆっくり・小股で」というのが基本です。
これは山を登りも下りも同じで、勾配のある場所を歩く時は、自分にとって「ゆっくり・小股」で行動します。
特にスタートして身体が馴染むまでは、息が上がりすぎないように行動すると、徐々に身体が馴染んできて、長めの距離も歩きやすくなります。
-疲労の軽減
ゆっくり・小股で歩くことで過度な疲労を起こさずに一定のスピードで淡々と歩きやすくなります。
-事故や怪我の防止
ゆっくり・小股で歩くことでスリップした場合などのリカバリが効きやすく、事故や怪我の防止になります。
-落石の防止や登山道へのダメージの軽減
ゆっくり・小股で行動することで、落石などを起こしにくく、他の方への危険などを起こさないと共に、登山道へのダメージも軽減して行動しやすくなります。
フラットフッティング -足裏全体で接地(べた足)

日常では「かかとから接地して、つま先で蹴り出す」歩き方が多いですが、山では足裏全体で設置する、フラットフッティングが基本です。
フラットフッティングには色々な利点がありますが、その一部を記載します。
-フリクション(摩擦力)の向上
山を歩くシューズのソールは凹凸が大きく、ソール全体で接地した方が優れたグリップを発揮しやすく行動できます。
しっかりとグリップが効くというのは、疲労の軽減や安全性の向上につながります。
-登山道へのダメージの軽減
踵でドンと接地し、つま先で蹴り出すことよりも登山道へのダメージを軽減しながら行動することができます。
静かに動く
ドタバタと音を立てながら歩くような行動の仕方よりも、一歩一歩の接地や蹴り出しを静かに行う方がメリットが存在します。
これは特に怪我や事故の防止にもつながり、不安定な石(浮石)などでのぐらつきや、スリップなどを防ぎやすくなります。
また、同時に登山道へのダメージ軽減にもつながります。
ポイント
あまり多く書いても覚えづらくなるので、細かな箇所は省きますが、基本的に「ゆっくり・小股で」「静かな移動を心がけ」「フラットフッティング」で行動するというイメージで僕は歩いています。
こうした歩き方で、より地面へのダメージを減らしつつ、落石などを防ぎながら行動しやすくなるかというのは、日頃のトレーニング山行の時などに意識するように心がけていれば、いずれ習慣化してくると思います。
なお、それぞれの項目に「登山道へのダメージの軽減」と書いていますが、歩き方ひとつで登山道に生じさせるダメージの違いも変化してきます。
ひとりひとりが、今ある状況を極力そのままにできるように心がけて楽しめると良いですね。
こうしたポイントも運動を兼ねたトレーニング的な山行の時に意識してみると違いが分かりやすいと思います。
行動中のマナー
マナーはあげるとキリがありませんが、基本的に譲り合う・尊重し合う・迷惑をかけないという感じでしょうか...
少しだけ心がけておきたいマナーなどを記載します。
計画を家族や友人に伝え、登山届を提出する
万が一の事故や遭難などに遭遇した場合、早く気づいてもらえることはとても重要です。
登山届の提出を怠っている方は多いイメージもありますが、行動時のルートや所要時間などをきちんと家族や友人に伝えておき、最寄りの警察への登山届を提出します。
※最近はWEBやスマホから提出できるものがほとんどです。
きちんと計画を立てて伝えることで、自分の行動スケジュールなどを把握しやすくなります。
基本的には登り優先
山でのすれ違いは基本的に登り優先です。
下山時に登ってくる方が見えた時は、安全にすれ違える場所で待機して道を譲りましょう。
ただし自分が下っている時にも譲ってくださる場合が多いので、そうした場合は挨拶とお礼を伝えて進みます。
環境へのローインパクトを心掛ける
山によってはオーバーユースが懸念されるエリアも近年はよく耳にするようになりました。
自然の中で楽しむ上では、自然へのインパクトを最小限に抑えることを心がけ、周囲の仲間とも共有しながら活動しましょう。
持って帰らない
植物や石は持って帰らない。
当然です。
野生動物への配慮
動物にエサを与えない、過剰に近づかない、刺激を与えない、騒がないなど、野生動物への配慮も忘れずに。
早めの行動を心掛ける
早い時間に出発して、明るいうちに戻ることが基本です。
行動スケジュールの管理はとても重要なので、しっかりと計画を立てて行動しましょう。
他にも細かなマナーなどが存在しますが、アウトドアの中では「Leave No Trace」という考え方・行動指針が存在し、知っておくこともとても重要だと思います。
知ることや考えることも、アウトドアの楽しみのひとつです。
今回は少しだけポイントを掻い摘んで紹介しましたが、分からないことがあれば、気軽に店頭でお尋ねくださいませ。
また、次回も「始めたばかり」という方が読みながら楽しんでいただけるように、内容を考えてお届けいたします。
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山や自然を歩いてみると、装備や体力、天候への対応など、想像よりも多くの学びがあります。
その"気づき"を持って店にお立ち寄りください。
次の山や自然を、より快適に楽しむためのヒントを一緒に探していきましょう。
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