Learning the Outdoors by PORTAL | 001:道具を揃える(登山・ハイキング編)

Learning the Outdoors by PORTAL | 001:道具を揃える(登山・ハイキング編)

NakanoShogo

当店をご利用いただきながら、お客さま自身が自然の中での時間を安心して楽しめるように。そうした目的で、アウトドアを学びながら楽しめる連載「Learning the Outdoors」をスタートします。

これまでのコラムなども一覧化したページも作りますので、お待ちくださいませ。

当店では、山や山間部のアクティビティを中心にご提案しています。主なフィールドは山や渓谷などの自然環境になり、そこで楽しめる活動も、登山・ハイキング・渓谷での釣り・クライミングなど様々です。

この連載では、そうしたアクティビティを知り、実際に少しずつ体験し、ご自身で安全に楽しめるようになり、スキルアップしていくまでを段階的にまとめていきます。始めたばかりの方やこれから始めようという方は、目安としてご活用いただければ幸いです。

001:道具を揃える(登山・ハイキング編)

サーフィンを楽しむにはサーフボードなどが必要で、ゴルフを楽しむにはゴルフクラブなどが必要であるのと同様に、山や自然の中を歩く登山やハイキングには、それを楽しむための道具が必要で、まずは専門店に出かけて、道具を揃えることからスタートします。

今回は、"日帰りの山行やハイキング"を楽しむために揃えていくべき道具を、実際に僕が使用している道具とともに紹介します。

登山・ハイキング用シューズ | 最初に揃えたい基本の装備

Learning the Outdoors シューズを購入する

登山やハイキングを安全に楽しむために、まず最初に準備する装備のひとつがシューズです。
目的とするルートやスタイル、足の形によって最適なモデルは異なりますが、近年は軽量でグリップ力に優れたモデルも多く、安心感と快適さを兼ね備えたモデルも多く存在します。

シューズは消耗品ではありますが、行動中の身体を支える大切な道具です。
慣れてくると複数のシューズを状況に応じて使い分けることもあります。これはサーフィンで波の状態によってボードを変えることと似ていて、ルートの特徴やコンディションに合わせて履き替える楽しみも存在します。
(もちろん、一足で年間を通して楽しむという選び方も良い選択です。)

最初の段階で必ず揃えておきたい装備のひとつです。

デイパック | 日帰りの行動で必要な荷物を運ぶために

Learning the Outdoors バックパックを購入する

日帰りの登山やハイキングでは、必要な荷物を背負って安全に歩くためのバックパック(当店では日帰り向けのものを「デイパック」と呼んでいます)が欠かせません。

容量は季節やスタイルによって変わります。
写真撮影が好きでカメラや機材を持ち歩く方、山での食事を楽しみたいので調理器具の携帯が必要な方など、楽しみ方によって適したサイズ感などは異なります。

春夏の装備と、秋冬の防寒装備では必要な容量も変わってきますので、まずは年間を通して使いやすいサイズから選び、少しずつアップデートしていくイメージで問題ございません。

また、「山を歩くだけの方」と「山も歩けば渓谷での釣りも楽しむ方」では、求めるデイパックの特徴も変わってきますので、皆さま自身の楽しみ方に合わせて選定します。

ウェア(衣類)

Learning the Outdoors 必要なウェアを揃える

アクティビティではウェア選びもとても重要です。
四季の気温差や地域ごとの気候、歩くルートの特徴(岩場が多い、藪が多いなど)、そして「山を歩くだけ」か「釣りも楽しむ」「クライミングも楽しむ」といった内容によって、必要な耐久性や快適性などが変わってきます。

また、暑さ・寒さへの耐性や発汗量などには個人差もあるため、実際に使用しながら「自分にとっての最適」を見つけていくことが大切です。

遊び慣れて長いルートを楽しんだり、難易度が上がったり、時に2-3泊以上となると、ウェアの選定はさらに重要になっていきます。最初は最低限の装備から揃え、少しずつ防寒着やレイヤリングを見直してアップデートしていきましょう。

寒いシーズンでは、休憩や停滞時・緊急時を想定した防寒着の携帯も忘れないようにしましょう。

レインウェアについて

山を歩くには、シューズ・バックパック・レインウェアを最初に揃えるべきとされることが多いですが、レインウェアについてはお客さまの活動レベルに合わせて、初回に揃えるべきか後回しにするべきかを一緒に考えるケースが多いです。
※ただし緊急時の保温・風除けや、寒さ対策として、どこかのタイミングで揃えておくべき装備だと当店では考えていますので、余裕のある時に準備しましょう。

ファーストエイド

Learning the Outdoors ファーストエイド用品を揃える

極力早い段階から揃えておきたいのが、ファーストエイド(応急手当)キットです。
これも季節やルート・日程などにより中身を変えることが多いですが、ちょっとした怪我などの対策として早めの段階に揃えていきましょう。

個人的には、全部セットになった商品は買わずに、自分が必要なものを一つ一つ揃えて定期的に買い替えなどをしています。

上の画像は僕の私物ですが、日帰りのアクティビティの時によく携帯しているものです。

  • 専用ポーチ(防水性の高いもの)
  • 消毒液(水道水でも可)
  • テーピング
  • リペアキット(日帰りではあまり使ってないです)
  • ダクトテープ
  • ナイフまたはハサミ
  • 絆創膏
  • コムレケア
  • エマージェンシーブランケット
  • ホイッスル
  • トゲ抜き
  • 爪切り
  • ファイヤースターター
  • 鎮痛剤
  • 下痢止め

温暖なシーズンでは、ポイズンリムーバーや虫刺されによる対策や、ダニ取りなども携帯しており、万が一の怪我や事故などに対処できる装備を徐々に揃えていくことが大切です。

水・食料

Learning the Outdoors 水と食料の携帯

食料と水分の携帯もとても重要なポイントです。
食料は調理の有無や、好みなどによって異なる点もありますが、長いルートなどでハンガーノック状態に陥ってしまいそうになったという声も時折伺います。

また水分不足や塩分不足では脱水症状や足が攣ってしまったりという状況になってしまうので、適切に携帯しておきます。

一般的には以下のような計算で汗の量や必要な水分補給について計算されます。

給水量 = 脱水量 × 0.7〜0.8

脱水量 = 体重(kg) × 行動時間(h) × 5(ml)

例えば体重が70kgの方が6時間の行動を行った場合の脱水量の計算は以下のようになります。

脱水量 = 70(kg) × 6(h) × 5(ml) = 2,100ml

これを元に必要な給水量を考えると以下のように。

給水量 = 2,100ml × 0.7〜0.8 = 1,470ml〜1,680ml

これに予備や調理用を考えて携帯します。

※ほかに、自重(体重+荷物) × 5 × 行動時間という計算もよく用いられます。

若干の個人差などもありますが、慣れてくると行程を考えて「大体この程度」と目安が分かるようになってくると思います。

なお、加えて個人的な考え方として、いつか山で要救助者(遭難者など)に遭遇してしまうことがあるかもしれません。そうした場合にサポートができることを念頭に置いて水や食料は多少のゆとりを持って携帯しています。

僕自身もですが、お客さまでもそうしたケースに遭遇したことは少なくはありませんので、応急手当用品や、水分・食料はルートによって正しく携帯できるように慣れていきましょう。

こうしたいざという時の助け合いの概念も、どこか温かくて素敵なものです。

地図・スマートフォン・モバイルバッテリ

山や自然の中での行動では、常に現在位置を把握しておくことがとても重要です。

最初から地図を読むことは難しいですが、徐々に地図を読むことに慣れて行きましょう。
また現在位置の把握にスマートフォンのアプリなどを活用しながら、現在位置の把握を行なって楽しんでいきましょう。

行動時間などによって、バッテリが切れてしまわないようにモバイルバッテリなどの準備も大切です。

ストーブ・クッカー

Learning the Outdoors ストーブやクッカーの携帯

山や自然の中で、珈琲や食事の時間。
慣れてきたらという道具かもしれませんが、大切に楽しみたい時間にされる方が多いひとときです。

OD缶タイプのガスカートリッジを使用するものや、アルコールや固形燃料を使用するものと、用途や目的に応じて道具を選び、珈琲や食事の時間を楽しみます。

Learning the Outdoors アルコールストーブ

上の画像はお客さまの使用するアルコールストーブ。

その他、クッカーやフライパンなど、軽量性を重視するか、調理の利便性を重視するかなど、嗜好によって異なるポイントだと思います。

食事や珈琲という楽しみのためでもありますが、同時に緊急時に温かい飲み物を作れるといった用途でも状況によっては携帯しておきたい道具かもしれません。

せっかく山に行くのですから、まずは楽しむ目的として、ストーブやクッカー・カップなども揃えていきましょう。

ヘッドライト

Learning the Outdoors ヘッドライトの携帯

予期せぬ事態で下山が遅くなった・暗くなったという時に必要なのがヘッドライトですが、緊急時だけを想定して携帯していてはもったいない道具です。

日の出を山の上で眺める目的に暗い時間に登ったり、長い行程の山で暗い時間から動いたりと、慣れるごとに使用頻度も必然的に高くなる道具。

短時間の日帰りハイキングでは出番がありませんが、長い行程のアクティビティでは必ず携帯している装備品です。

トレッキングポール

Learning the Outdoors トレッキングポールの携帯

トレッキングポールの必要性については店頭でも質問の多い事項ですが、短時間の日帰りのハイキングでは、その方の体力や筋力に応じてというところだと思います。

トレッキングポールは、僕は積極的に使用する方ですが、長いルートでの行動などでは、疲労軽減や故障の防止のために使用することもあります。
また、行程が長い場合は捻挫などをはじめとした怪我をした時の予備としても携帯しています。

さらにはトレッキングポールを用いたツエルトやシェルターの設営などを行うにも使用するため、お客さまによっては必須装備となっている方も多い道具。

ハイキングなどを始めたばかりの段階では必須というほどではないかもしれませんが、状況や経験に応じて持っておくと良いアイテムだと思います。


専門店の利用

サーフィンでも登山でも釣りでも、道具選びや購入の段階から専門店を活用していただくことをおすすめしています。

正しい道具や装備を選べないままスタートしてしまうと、実際の使い方やフィールドでのマナー、安全面のサポートを受けにくくなってしまいます。

専門店では、メーカーの考え方や製品の背景、地域ごとのフィールド特性や課題など、カタログだけでは分からない情報まで含めてお伝えできることが多く、それは「安全に楽しむこと」にもつながり、地域にマナーの良い利用者を増やしていくことにもつながると考えています。

それが当店でなくとも、皆さま自身にとって信頼できる専門店をひとつ持ち、ガスカートリッジひとつ、サーフワックスひとつも、そこから揃えていく。

そうした積み重ねは、結果的にご自身の楽しみの幅と安心感を大きく広げ、また「新たに楽しみたい」という方が、地域で楽しみ始めることができる環境ができるという循環に繋がっていくはずです。

余談ですが、最近サーフィンにお誘いいただく機会が増え、私自身も落ち着いたら改めて海の専門店で波乗りを教わりたいと思っています。

店を営む立場になってみて感じるのは「専門店を頼ることは、上手く利用する方には大きなメリットでもある」ということもありますので、皆さまにとっての良い専門店を、ぜひ見つけてみてください。

当店に常時在庫のないものは必要に応じて、選定・お取り寄せしますので、気軽に相談くださいませ。

また次回もお楽しみに。


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