離れてもつながる、山の楽しみ | 藻岩山を一緒に歩く

離れてもつながる、山の楽しみ | 藻岩山を一緒に歩く

TakedaMayuko

こんにちは、PORTALの武田です。
札幌へと拠点を移し、JOURNALでは今回が初めての投稿になります。
これからは、北海道での日々のことを綴りながら、山や自然にまつわる出来事、そして北と南をつなぐようなご縁についてもご紹介していけたらと思っています。

宮崎から札幌へ。場所が変わっても、山がつなぐご縁にあらためて感謝した一日。


拠点を移して、3日目の再会

宮崎から札幌へ拠点を移して、まだ一週間も経たない頃。
引っ越しの段ボールが山のように積まれた部屋で、片付けや新生活の手続きに追われる毎日でしたが、その中にとても楽しみにしていた予定がありました。

それは、宮崎勤めでお世話になっていたご夫妻との再会。お二人の山のお仲間と一緒に、北海道への山旅の一日目に札幌を選んでくださり、
「せっかくだから一緒に藻岩山でも歩きませんか」と声をかけていただいたのです。
慌ただしい日々の合間に荷ほどきの手を一旦とめて、最低限の装備をバックパックに詰め、ご夫妻が宿泊される札幌市内のホテルで待ち合わせです。

大通公園では夏の風物詩、ビアガーデンの準備

 

PORTALでの出会いと、ご夫妻との日々

ご夫妻と出会ったのは、5年前。
私がPORTALで働きはじめた頃のことです。 当時、店のサークルに参加されたことをきっかけに山歩きを始められ、それからというもの、回を重ねるごとに山の魅力に惹かれていかれました。

今では山野草や木々のことにもとても詳しくなられて、店のイベントでも他のお客様をサポートしてくださる頼もしい存在に。 自分のペースで山を楽しみながら、誰かの時間も自然と豊かにしてくれるおふたりの姿勢に、私自身もたくさん学ばせていただきました。

いつも応援してくださる大好きなご夫妻と


藻岩山を一緒に歩いて感じたこと

今回ご一緒したのは、札幌中心部に位置する標高531mの「藻岩山」。
街中にありながら豊かな自然に恵まれ、藻岩原始林は国の天然記念物にも指定されています。登山道は5つあり、この日は最もメジャーな「慈啓会病院前コース」からの出発でした。

登山口を出発前にご夫妻へ熊鈴代わりの小さなカウベルをひとつずつお渡ししました。
(カランコロンと温かい音で鳴るカウベルの音が私は好きなのです)
「またいつか、一緒に北海道の山を歩けますように」という想いを込めて。

みんなでカウベルの音を響かせながら

山頂からは札幌の街並みや石狩平野を一望でき、日が暮れる頃には「日本新三大夜景」にも選ばれた札幌の夜景が、宝石のようにきらめきます。私自身、子どもの頃からハイキングやスキーで親しんできた地元の山でもあります。

エゾニワトコ(北海道から本州中部以北の山地や林縁に自生する落葉低木)


この日は夕方から登りはじめ、山頂で日没を待ち、夜景をゆっくり楽しんだあと、ケーブルカーとロープウェイで下山するという行程。札幌に来られる方にぜひおすすめしたくなるような、ゆったりとした時間の流れる日没ハイキングでした。

足元の山野草に何度も立ち止まりながら 

 

ミヤマクワガタ(♀)も発見

 

近年では「北海道の夏=涼しい」ではなくなってきていますが、登山道では白樺の森や涼やかな風を楽しみながら歩きました。

白樺の木

普段歩いている南九州の山との違いにすぐに気づかれたおふたりは、 
「あ、カシ類がないですね」 「白樺を見ると、北国に来た感じがするなぁ」 と、目を輝かせながら樹木や植物たちを観察されていたのがとても印象的でした。

 自分にとって当たり前だった風景が、誰かにとっては新鮮で、興味深く、感動になる。 そんな瞬間を共有できるのが、山のいいところだと、あらためて感じさせられました。

 

藻岩山山頂での夜景鑑賞

日没1時間前に山頂に到着。山頂では夕暮れの空を見上げながら、持参したお弁当を広げ、ゆっくりと夜景の時間を待ちました。

藻岩山山頂

空が次第に藍色から群青へと変わり、街の灯りがひとつ、またひとつと輝き始める時間。
日没が過ぎ、目の前に広がる札幌の夜景はどんどん輝きを増し、札幌での生活は8年ぶりの私も観光客気分。


札幌の夜景を楽しむ。

そして、できることなら、ご夫妻と一緒にもっとここにいたいなぁ...と、そんな思いを抱きながらも、皆さんの翌日からの旅の予定もあるため、名残惜しく山頂をあとにし、ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで下山しました。

どんどん明るくなっていく街灯り



離れても、山でつながる

PORTALでの出会いをきっかけに、こうして場所を越えてつながれること。
そして、山を歩くことが、人と人との関係を少しずつ、でも確かに育んでくれることに、心から感謝しています。
またいつか、北海道の山を一緒に歩ける日を楽しみにしています。

またお会いましょう!

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