お客さまのご質問 | 装備の軽量化について

お客さまのご質問 | 装備の軽量化について

NakanoShogo

TOPの画像はイメージですので、質問いただいたお客さまとは異なりますが、先日お客さまより「装備の軽量化をしたい」との相談をいただきました。

僕らは"超軽量"という訳ではありませんが、荷物は軽くて済むならそれが良いに越したことはありません。

軽量化は店頭でもよくいただく質問で、アウトドアを楽しむ方なら一度は気にしたことのあるテーマだと思います。
僕の店の考え方も含めた装備の軽量化について綴ってみますので、アウトドアを楽しむ方の参考になれば光栄です。

余談ですが、TOPのイメージは森を眺めているお客さまが素敵だったので、隠し撮りした1枚です。

軽量化の手段

スタッフのテント泊装備

ご相談いただいたお客さまは、夏の低山を歩く時にもデイパックとして35Lのパックを使用しており、荷物が重いため軽くしたいという内容でした。
軽くするための目的として、膝や身体の負荷の軽減と、もう少し長い距離を歩きたいという憧れ。

装備を軽くするには、道具自体を軽量なものに置き換える、不要なものは持っていかない、または代用できるものは代用するなどという手段があります。

ただし後述しますが、基本的には荷物を減らすことが、リスク対策を疎かにしてしまうようではなりません。何を減らすかなどを判断できる経験やフィールドの理解も、軽量化には大切な要素だと思います。

ひとつひとつの目的と重量を把握する

冬のスタッフの装備品

装備の軽量化を考えるには、まず今持っている装備品の目的と重量をそれぞれチェックすることをオススメします。
こうして道具をチェックすることで、省けるものとそうでないもの。または過剰に重いものなどをしっかりと可視化することが出来ますし、新製品などがリリースされたタイミングに「何が良くなったのか」などと製品に対する理解が深まります。

「これから軽くしたい」という場合、今現在"何が重くて、何をどれくらい軽くできるか"を考えるのに、とても役立つと思います。

代用できるものを考える

ご相談いただいたお客さまは、万が一の備えとしてダウンジャケット・レインウェア・ウインドシェル・フリース・ツェルトなどを常備し、エマージェンシーキットもたくさんとのこと。

万が一の備えはアウトドアではとても大切で、良い心がけだと思います。
反面、例えばウインドシェルとレインウェアはどちらかに絞れないか、ダウンジャケットとフリースもどちらかで双方の目的として使えないか。
そんなことを考えると、少し荷物を減らすことができるかもしれません。

僕らも、手ぬぐいを持参して三角巾の携帯を省くなど、小さなことですが、代用できるものを持参する場合、片方を省くということで荷物を抑えることができます。

シーンに応じて道具を考える

季節・目的地・アクティビティの種類と、こうした要因によっても荷物の必要性を考えることが可能で、単独で歩く時と、初心者を連れて歩く時でも道具は変わると思います。
これは軽くすることだけが目的ではなく、必要な道具をしっかりと把握するという点でも大切です。

例えば真冬の虫の居ない季節であれば、エマージェンシーキットからポイズンリムーバーを省いたり。
のんびり丘のようなハイキングコースを歩いて楽しむ時に、大袈裟なエマージェンシーキットは本当に全て必要だろうかと考えたり。

パックの中身は、いつも同じものを入れっぱなしではなく、状況に応じて中身を変えることも快適に楽しむ上ではポイントです。

必須の道具も少し考えてみる

エマージェンシーキット

軽くしようとしても絶対に省けない装備も存在します。例えばファーストエイドキットもそのひとつ。

ですが、日帰りのハイキングや1泊2日のテント泊に買ったままのパッケージの薬を持っていたりするとしたならば、それは必要な分だけに抑えて無駄を省くこともできます。

ダウンジャケットなどのインサレーションについても、街で着るような温かいけどゴツくて重いものなどを持つよりも、もっと軽量でコンパクトになる道具に置き換えることも可能だったり。

絶対に持っておかねばならないけれど、工夫することで軽くなるものも存在します。

山だけでなく渓谷でも

荷物を軽くすることで軽快な行動が可能になるのは、山だけでなく渓谷で釣りを楽しむ時も同様。
不要な荷物は減らして、軽快な行動で楽しむのも、ひとつの快適な楽しみ方の選択肢です。

軽さの世界に触れてみる

装備の軽量化を図るために、軽さの世界に触れてみることもひとつのオススメ。
ULという言葉を"ファッション的要素"として捉えられている方もいらっしゃいますが、軽さを考えて長い距離を歩いて、シンプルに自然を楽しむことは文化的側面から見ても非常に興味深く面白いものです。

ウルトラライトハイキング (土屋智哉さん著)
※Amazonアフィリエイトのリンクです

荷物の軽量化を考えることで得られる、身体への負荷の軽減だけでなく、色々な面白い世界も垣間見ることができる非常に読みやすい書籍です。

最後に:シーンや経験に合わせて軽量化を考える

アウトドアの道具は年々軽量化が進み、道具の重量は道具選びの大切なポイントです。
反面、必要・不必要な荷物の選定などは、一定の経験や知識が求められるケースが多く存在すると考えています。

アウトドアに不慣れな方が「不安が故に荷物が増えてしまう」と話されるケースが多いですが、僕自身は最初はそれで十分だと思っています。
色々な場所を歩き、登り、遡行し、慣れた場所を歩くからこそ「これは使わないな」という判断ができる面が"軽量化"には多く存在していると思います。

季節や天候・目的地・楽しむアクティビティの種類など、様々な状況に応じて必須となる道具や機能は異なるため、僕らも一概に「⚪︎⚪︎が良い」とは断定的に言えない面もありますが、荷物を減らすことが難しい場合は、ひとつひとつの道具を買い換えのタイミングで重量を気にしてみる。と、そんなことからでも十分かもしれません。

そんな場面で、各メーカーの製品の開発の目的、軽量化を図るポイントや生地の選定、使い勝手と軽量性のバランスなど、様々な試行錯誤に触れてみると、また道具の面白さに触れる楽しみが生まれます。

アウトドアを楽しむことは、決して重量やスキルに優劣をつけるものではなく、楽しむ方自身が安全に楽しめればそれでヨシだと個人的には思っていますが、軽さはひとつの快適性や面白さのポイントでもあります。

「荷物を軽くせねば」というお声は店頭でも意外に多くいただきますが、まずは自分の荷物をリスト化して重量などを測ってみることから楽しんでみてはどうでしょう。
雨で遊びに行けない休日の、ちょっとした楽しみにも最適かもしれません。

是非、慣れるごとに色々な面白さを発見してみてくださいませ。
明確な回答になっていないかもしれませんが、ご質問いただきましてありがとうございました。

 


LINEで最新情報をお届け中

PORTALでは、商品入荷やイベント情報をLINEでも配信しています。
ぜひ友だち追加して、最新情報をご確認ください。

友だち追加

ブログに戻る