小さな冬の知らせ
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店の周りで時折、ジョウビタキの声が聞こえるようになりました。
先日、早朝に宮崎市の渓谷に出かけた際にも、山間部に出かけても、ジョウビタキの声を耳にする機会が少しずつ増えてきた気がします。
ジョウビタキ -冬の風物詩-

画像はジョウビタキの雄。
北方の地で繁殖し、冬を越すために日本に渡ってくる冬鳥のジョウビタキは、住宅地でも出会うことが多く、人工物によく留まっているのを目にします。
山間部に出かけていれば、夏鳥・冬鳥、春の花・夏の花・秋の花など、季節の移り変わりを、目・耳・鼻で感じることができますが、意外にご存知でない方も多く、自然と僕らの私生活の距離が離れてきているのかなと感じることがあります。
例えば、山に出かけて地域の方と話をしていますと「⚪︎⚪︎の花が咲いたら、◻︎◻︎の植え頃」だとか、生活の知恵を教わることが多くあります。
また、今年でいえば「蜂が高い場所にしか巣を作っていないから、台風の風の心配はなさそうだ」と、山を楽しむ多くの方や山間部の方が話していましたが、実際に振り返ると台風が来ないシーズンでした。
幼少期、家族や近所の方に、自然の中で暮らす生活の知恵や気づきを教わった記憶がありますが、それから40年ほどの暮らしの中で、私生活と自然との距離が乖離してしまったことを感じることが多くなりました。
先日、山間部に出かけて、地域の方と話をしていますと「鹿やカモシカが生活圏に近い低い場所で非常に目立つようになった」という話を伺い、近年よく耳にする熊の被害のことを思い出したことがあります。
「幸い」という言葉を使うのは少し胸が痛みますが、九州には熊が生息していないため、危険としての認識は低いものです。
けれど、山に出かけていても駐車場近辺に多くの野生の鹿がいたりすることを目にすることが当然となった印象があります。
山を歩く。
渓谷で釣りをする。
自然観察を楽しむ。
アウトドアのアクティビティには、様々な楽しみ方が存在しますが、自然の中で知り得た知識や体験を通して、日常の生活が"ほんの少し"豊かになり、小さな変化に関心を持つことは、僕個人的にはとても大切なことだと宮崎県の自然の中を歩いて、20年の間思い続けてきました。
まだ身近に自然が多く存在する宮崎県や地方では、1円にもならないけれど、なんだか嬉しいなと感じる小さな幸せが、まだまだたくさんあります。
毎年、ジョウビタキが自宅の庭や店の周りに訪れるようになると、ふとそんなことを思います。
身近で感じる季節の変化

僕は植物よりも動物に関心が強いため、時折のんびりと動物を探しに出かけることも好きな遊びのひとつですが、冬になると訪れるジョウビタキの存在は、店や山間部でお客さまによくお伝えすることのひとつです。

山に出かける人では、春以降にオオルリ・サンコウチョウ・アカショウビンの囀りで夏が近づくのを感じる方も多いと思いますが、冬の訪れを感じさせてくれるジョウビタキは、もっと身近に見れる冬の知らせかなと毎年感じています。
良い道具を持って山に出かけることは、楽しみのひとつですが、同時にこうした小さな発見も楽しんで、皆さまと少し「得のない豊かさ」みたいなものも、楽しめたらなという今日この頃です。
お子さまがいらっしゃる方は、是非一緒に見つけて「これが冬になるとやってくるんだよ」と教えていただけたら、少しこうした知識が継がれていくのかなと思います。
「見つけたいけど分からない」なんて人は、気軽に店でお尋ねください。
時に一緒に探しに出かけていきましょう。
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